ハイネケン欧州杯はついにリーグ戦最終週を迎えた。決勝トーナメント進出チームがこれでようやく出揃うことになる。
既に決勝進出を決めているアイルランドのレンスターに続き、決勝への切符を手にするのはどのチームか。
※決勝トーナメントは全6プールの各1位通過チームと、2位チームでの上位2チームが進出し、準々決勝→準決勝→決勝と戦われる。
【1月14日(金)】
トゥールーズ(仏) 53 vs 36 スラネスリ(※)・スカーレッツ(ウ)
フランスのトゥールーズが地元でペナルティ・トライを含む8トライの猛攻で大勝。プール31位通過で決勝トーナメント進出を決めた。怪我から完全復活したエリッサルド〜ミシャラクのハーフバックコンビが機能し、ウェールズ主将ギャレス・トーマスらベテランがうまくかみ合った。
スカーレッツは途中まで互角の展開だったが、中盤トゥールーズFBトーマスのトライあたりからディフェンスが乱れ、大量失点を許した。これで予選敗退が決定。
(※今回からラネリー(英語読み)→スラネスリ(ウェールズ現地読み)に表記を改めました)
ノーサンプトン・セインツ(英) 33 vs 23 グラスゴー(ス)
ノーサンプトンがFBブルース・レイハナの2トライなどで競り勝ち、地元ファンをわかせた。勝点で惜しくも1位通過は逃したが、戦績で決勝進出はほぼ決まった。勝負を決めるチーム4本目のトライを奪ったレイハナは今季いっぱいで契約切れ。最後の花道としたいところだ。
グラスゴーは最後の試合で意地を見せ、互角の勝負を演じて見せたが、地から及ばず敗退。6戦全敗で今季の欧州杯を終えた。
【1月15日(土)】
ニース・スワンシー・オスプリーズ(ウ) 20 vs 11 カストル(仏)
オスプリーズが不調だった今季の欧州杯を締めくくる好ゲームで制し、地元ファンに勝利をささげた。決勝進出はならなかったが、若きエース、ヘンソンの正確無比なキックなど見どころを残しつつ今季欧州杯を終えた。
フランスのカストルは敵地ながら決勝進出へなんとしても勝利が欲しいところだったが、あと一本が決まらず、勝利が遠のいた。プール4の2位決定だが、決勝進出はほぼ不可能な状況。
NECハリクインズ(英) 10 vs 18 マンスター(愛)
アイルランドのマンスターがエースフライハーフ、オガーラを欠きながら、NZの英雄FBクリスチャン・カレンや穴を埋めたポール・バークの活躍でトゥイッケナムの33,000人ファンの前でハリクインズに完勝した。激しい競争となったプール4の1位を勝ち取った。
ハリクインズは出だしからの不振が尾を引いて地元での痛い敗戦。1分け5敗の不本意な戦績での今季欧州杯終了となった。
ビアリッツ(仏) 18 vs 15 ロンドン・ワスプス(英)
フランスのビアリッツが昨年の覇者ワスプスを地元で降し、その実力を大いに知らしめた。最後まで追いすがるワスプスに最後は防戦一方となったが、なんとか逃げ切ってプール1の1位通過をもぎ取った。
昨年の覇者ロンドン・ワスプスは最終戦での痛すぎる敗戦で3勝3敗の3位となり、この時点で連覇の夢は途絶えた。
レスター・タイガース(英) 62 vs 10 カルヴィサーノ(伊)
地元レスター・タイガースがその実力を余すところなく出し切り、10トライ62点の大勝を上げ、プール1の2位に確定した。プール5、プール6の勝者および2位チームの成績如何に決勝トーナメント進出を託すことになった。
カルヴィサーノはここでは歯が立たず、6戦全敗の同プール最下位。混戦プールにあって実力差は否めなかった。
レンスター(愛) 57 vs 17 ベネトン・トレヴィゾ(伊)
アイルランドのレンスターが地元で力の差を見せつけて圧勝。既に決めていた決勝トーナメント進出へ全勝で花を添えた。総得点もこれで257得点となり、他チームを圧倒する得点力を示した。
ベネトンは少ないイタリア勢でよく奮闘した。英国の古豪バースを倒すなど健闘を見せたが、レンスターには歯が立たず、3敗目を喫し、予選敗退が決定した。
ブルゴーアン(仏) 17 vs 23 バース・ラグビー(英)
英国のバースが最後に意地を見せて敵地フランスはブルゴーアンで接戦を制して3勝目。決勝トーナメントには惜しくも届きそうにないが、プール2の2位を確保なんとか面目を保った。
フランスのブルゴーアンは地元に帰って息を吹き返し、接戦を演じたが、今季の低迷振りをそのままに最後は競り負けた。これで6戦全敗となった。
【1月16日(日)】
ニューカッスル・ファルコンズ(英) 25 vs 17 グウェント・ドラゴンズ(ウ)
イングランドのニューカッスルがけが人続出のスクランブル体制ながら地元でウェールズのドラゴンズを降し、決勝進出を決めた。ジョニー・ウィルキンソン不在のフライハーフにはマーク・ウィルキンソン、プレースキッカーは元ワラビーズのマシュー・バークが代役を果たした。
ドラゴンズは決勝への望みをかけて最後まで接戦し、トライ数では同じ3トライをあげたが、SOスウィーニーのキックが不調で結果的にこれが敗因となった。
エジンバラ(ス) 40 vs 17 ペルピニャン(仏)
スコットランドのエジンバラが最終戦で意地を見せ、フランスのペルピニャンに快勝。地元ファンの熱い声援に報いた。
決勝進出へ絶対に負けられなかったペルピニャンだったが、勢いづく地元スコットランド・エジンバラの猛攻を抑えきれず、大量失点を許した。
グロスター(英) 0 vs 27 スタッド・フランセ(仏)
フランスのスタッド・フランセがアウェイゲームをものともせず、決勝進出へかすかな望みを託す地元イングランドのグロスターを完封して快勝。決勝進出に花を添えた。
地元グロスターは全く良いところなく無得点の敗退。欧州杯はこれで終了となるが、優勝争いを演じるプレミアシップへ不安と課題を多く残した。
カーディフ・ブルーズ(ウ) 16 vs 12 アルスター(愛)
ここまで5戦全敗だったカーディフが最終戦を地元で意地の勝利。アイルランドのアルスターをノートライに封じ込んで接戦での勝利をもぎ取った。
アルスターはアウェイで動きが鈍ったか、攻撃に厚みがなく、ハンフリーズらのPG4本にとどまった。
<順位表>
(○は決勝進出、×は予選敗退)
【プール1】
[チーム] [試][勝][敗][分][点] [差]
○ビアリッツ(仏) 6 5 1 0 22 71
○レスター(英) 6 4 2 0 19 78
×ワスプス(英) 6 3 3 0 16 36
×アマトーリ(伊) 6 0 6 0 0 −185
【プール2】
[チーム] [試][勝][敗][分][点] [差]
○レンスター(愛) 6 6 0 0 26 157
×バース(英) 6 3 3 0 15 27
×トレヴィソ(伊) 6 3 3 0 14 − 45
×ブルゴーアン(仏) 6 0 6 0 2 −139
【プール3】
[チーム] [試][勝][敗][分][点] [差]
○トゥールーズ(仏) 6 5 1 0 24 77
○セインツ(英) 6 5 1 0 21 21
×スカーレッツ(ウ) 6 2 4 0 11 − 25
×グラスゴー(ス) 6 0 6 0 2 − 79
【プール4】
[チーム] [試][勝][敗][分][点] [差]
○マンスター(愛) 6 5 1 0 22 47
×カストル(仏) 6 3 2 1 16 35
×オスプリーズ(ウ) 6 3 3 0 14 21
×ハリクインズ(英) 6 0 4 1 3 −103
【プール5】
[チーム] [試][勝][敗][分][点] [差]
○ファルコンズ(英) 6 5 1 0 21 9
×ペルピニャン(仏) 6 3 3 0 15 26
×ドラゴンズ(ウ) 6 3 3 0 15 25
×エジンバラ(ス) 6 1 5 0 7 − 60
【プール6】
[チーム] [試][勝][敗][分][点] [差]
○スタッドF(仏) 6 5 1 0 23 89
×グロスター(英) 6 3 3 0 14 16
×アルスター(愛) 6 3 3 0 13 − 51
×カーディフ(ウ) 6 1 5 0 7 − 54
元の記事、詳細はPlanet−Rugbyから(英文)。