2005年05月07日

[NZ]ヘンリー代表監督、2007年まで契約延長

ニュージーランド代表オールブラックスの監督、グレアム・ヘンリーと、そのアシスタントコーチ、ウェイン・スミスとスティーヴ・ハンセンは6日、ニュージーランド協会との契約を2007年終了まで延長することに合意した、とニュージーランド協会が発表した。

3首脳は2004年から契約し、今年2005年のシーズン終了後に契約期間が一旦切れることになっており、ニュージーランド協会は来るライオンズシリーズを待たずして2007年のW杯フランス大会をヘンリー監督以下に任せる決断をしたことになる。

NZRU(ニュージーランド協会)のチェアマン、ジョック・ホッブスは次のように語り、協会が3氏を高く評価していることを強調した。

「われわれ協会は今のコーチングチームの仕事によって輝きを取り戻した。それはオールブラックスのフィールドでの結果もさることながら、ニュージーランドラグビーの環境にとっても高いパフォーマンスを引き出せるよう多大なる努力を示してくれたことによるものだ。これらの努力は昨年12月から行われている包括的ハイパフォーマンス開発計画に大きく寄与してくれるものと考えている。」

また、ヘンリー監督も「ライオンズツアー、年末のグランドスラムツアーなど今年は大きなツアーが組まれているが、トライネイションズや次の年に向けての準備を怠らず、われわれができるベストを2007年まで尽くしたい。」と長期的な視野での戦略を示唆し、その意気込みをあらわした。

出典: ニュージーランド協会公式ページ 『オールブラックス.com』 (英文)

posted by 晴耕雨読 at 17:09| Comment(2) | TrackBack(0) | [News]国別ラグビーニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちはLOMMです。気になることがあり、またコメントを出させていただきます。
ヘンリー監督が愛用するショートラインは、今後オールブラックスに定着するのでしょうか?昨シーズンを見る限りにおいては、まだショートラインを使いこなせていない印象がありましたが。
ヘンリー氏が率いたウェールズが、ショートラインによるスリルあふれるライン攻撃を披露した時には、本当に感嘆させられたものです。
晴耕様、ショートラインに必要な資質などを教えていただければ幸いに思いますが...
(いつでも、時間のあるときに書いていただければと思います)
来月に来征するライオンズは、ヘンリー監督の手の内を良く知っているはず。テストマッチでの両軍の駆け引きが今から楽しみです。
Posted by LOMM at 2005年05月11日 16:04
LOMMさん、こんにちは。ラグビーファン(晴耕雨読)です。

ショートラインのことをニュージーランドでは「フラットラインシステム」と呼んでいるようです。このフラットラインについて以前あひる(Black Kiwi)さんから質問いただき、返答したことがあるので、そこから引用します。
#ちなみにあひるさんはニュージーランドはロトルアにお住まいの日本人の方です。

---------------------------↓以下引用↓-----
さて、フラットラインについてですが、一応基本的なところから説明します。

まず、バックスのラインというのは普通スクラムなどのポイントから斜め後ろ方向に並んで起点となるSOがパスを受けると同時(それより早い場合もありますが)に他のバックスの選手が縦(サインによっては横)に動いてボールを受け、相手に当たって新しいポイントを作ったり個人技で抜いて行ったりします。

ところが、オールブラックス現監督のグレアム・ヘンリーは、通常斜めに位置するバックスのラインをSOの位置に限りなく近く平行に並べるようにします。これがフラットライン(システム)です。
少し余談ですが、ヘンリー監督はこのシステムがお好きなようで、NPC監督時代やその他あらゆるチームの監督の際に必ずこのフラットラインシステムを採用していたようです。

フラットラインのメリットとしては味方側から見れば選手と選手の連携や動きが近い場所で行われることからさまざまな状況の変化や複雑なサインプレーに対応しやすいこと、また敵側から見ればディフェンスする相手が近くにいるので、勢いがつけにくく、倒す相手も絞りにくいといったあたりでしょうか。
但し、これには味方側の各選手が機敏に状況の変化や複雑なプレーへの対応を行わなければならず、個人技はもとよりチームとしてのまとまりや意思疎通がうまくいっていないとこのメリットを引き出すのは難しいでしょう。

また、デメリットとして、ボールをもらう選手が敵側に近い位置でスタートを切るので、勢いが通常に比べてゆるくなりがち、みんなが横に並ぶので縦の変化に対応しづらいなどがあげられ、これをカバーするには個人としては相当の瞬発力や判断力が必要でしょうし、これを動かすほう(SOやインサイドCTB)にすれば、ラインの動きや状況の変化を的確に把握するとともに自らも縦への変化に対応する(SO自身が突進したり、ラインのフォローから攻撃を仕掛けるなど)が必要になってくるでしょう。

ABs主将のウマンガがARU(オーストラリア協会)招待の昼食会で「今フラットラインができるのは(オーストラリアの)ラーカムだけだ」と発言したようですが、多少のリップサービスはあるにしても、上述のような動きを得意とし、その技量があるのはラーカムだけかもしれませんし、その意味で結構本音だったのではないかと思っています。

いずれにしても、現状このフラットラインのメリットが生かされていないことは確かで、選手としても戸惑っている面もあるでしょうが、W杯がああいう形で(NZファンからすれば惨敗といえるでしょう)終わってチームを立て直す、そのちょうど過渡期にあたるので、システムというよりチームとしてこれからなんじゃないかというのが一番正確なように思います。
------↑引用以上↑---------------------------

これはニュージーランドがトライネイションズで最下位になり国内でフラットラインの功罪について議論が盛んなころ書いたものです。その後秋(ニュージーランドでは春)の欧州遠征でカーターをはじめてファーストファイヴに起用してそれなりに結果を残したことから、今後少なくとも2007年まではショートライン(フラットライン)が採用され続けると思います。

上記のとおり資質としては直感的な判断力と身のこなしが必要と思います。今のニュージーランドならクルセイダーズのカーター、メイジャー、ラウララあたりがこれに適しているんじゃないかと思っています。豪州ならラーカム、ギタウあたりでしょうか。南アのたとえばジュベールやバリー(ともにストーマーズ)、豪州でもモートロックなどはいわばぶちかまし型のプレーヤーですから、深めのラインでスペースを持たせたほうが活きると思います。

ただ、ニュージーランドにはニュージーランドの伝統があるわけで、(ウェールズなどの)単純なコピーにはなりようがなく、新たな境地を切り開いてくれるんじゃないかと期待しています。その一応の完成形は2007年なんでしょうが。

長文失礼しました。ご参考まで。
Posted by ラグビーファン at 2005年05月12日 10:18
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